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嚴島神社「錦包籐巻太刀・腰刀」復元奉納プロジェクト

構想から7年!嚴島神社所蔵の「錦包籐巻太刀・腰刀」に惚れこんだ三上貞直刀匠率いるプロフェショナルチームがいよいよ刀剣の復元に挑みます。熱い想いを込めて復元した刀剣を世界遺産でもある国宝 嚴島神社に奉納する令和の歴史に残るプロジェクトです。

刀剣 x 文化財復元

チャレンジ

現在までに集まった総額

4,300,000 円

172%
目標金額:2,500,000 円

グローサー

188人

残り時間

終了

このプロジェクトは、購入型のAll or Nothing方式です。 2019年12月28日 23:59 までに目標金額を達成した場合のみファンディングされます。

プロジェクト
活動報告 38
グローサー 188
応援コメント 2

なぜ修復に挑戦しないのか?

2019年11月11日
修復の場合は、元の形がはっきりわかっていて、どこかが損傷したためそれを修理するというイメージです。
ですから、鎧など、糸が残っている物は修復しやすいと言うことになります。

今回の太刀の場合、まず、錦の文様は、専門家でもわからないとのことでした。
ただ、嚴島寶物圖會には、「赤地ノ金ラン」と書かれていますので、赤地ノ金ランにはしなくてはなりませんが、文様はわからず、創作となります。

つまりこの時点で、創作の錦を現存している拵えに巻き付けることは、修復とはいえません。

文様が解明されたときにはがして張り直せば良いと思われるかもしれませんが、
貼ると言うことは、元の錦の残りが無くなると言うことにつながるために、
資料保存のために、おこなうべきではないと考えます。

非接触検査をおこなってはどうかという意見が出ましたが、残存錦が少ないこと、文化財の運搬・検査については、申請や責任問題などの理由から、
もっと機械精度が上がったときに計測しても良いのではないかと言うことで、
今後の宿題として我慢し、簡易的な非接触検査で、紅花ではなく茜による物と推測されましたので、茜で染めていただくことになりました。

刀剣の「修復」について

一言で言って、「元の形に修復することは出来ません」
研いでも、焼きを入れ直しても、体裁を整えることが出来ても元に戻らないから貴重なのです。

子細に説明すると
研いである部分が錆びたり傷ついた場合には、研ぎ直して錆を取ることは出来ますが、
研ぎによって、刀は、研ぎ減っていきます。
そして、やがては刃文もなくなり、心金(
しんがね・芯鉄とも書く)*が出てきたりする場合もあるので、元の状態に戻るわけではありません。
古い刀には、研ぎ減りや損傷しやすい「切先(きっさき・刀の先端部分)」の刃文が、
糸直刃のようになったり、なくなってしまったものもあります。
ですから、大切な刀は、錆びさせないよう、傷つけないよう気をつけないといけません。
刀の研ぎ師さんは、研ぐのですが、時によっては、錆や傷の痕跡は残して
極力研ぎ減らさないように細心の注意を払って研がれます。
平安・鎌倉時代の刀剣が今日も残っているのは、
所有した人たちが、使わない、痛めない。研ぎは最小限にして、大切に残してきたからに他なりません。


刀剣の展示をするときには、細心の注意は払いますが、刀身を痛め傷つけるリスクが全くないというわけではありません。
貴重な刀剣の場合、作品の展示をしない、貸し出さない大きな理由として、
「刀を傷つけるリスクを減らすため」と言われる場合は、多いのです。


錆び付けされた茎(なかご・柄の中に収まっている刀身の部分)の錆は、
時代を表しますので、錆びているからと言って、全て取り去ることをしてはなりません。
しかし、悪い錆は取り除き、良い錆を残すように手入れします。

刀の刃文は、火事などで焼けると、焼きがもどりますので、刃文もなくなります。
この場合は、再刃(さいば・「日本刀大百科事典」福永酔剣著には、「再ハ」は誤り「さいじん」と読むとありました)と言って、
焼入れをし直すこともがあります。
江戸時代・明暦の大火で焼けた刀剣を惜しんで、徳川家は越前康継に命じて再刃した話は有名です。
しかし、再刃では、新しく焼入れしなおすのですから、よく似ていたとしても、完全に元の焼きに戻すことは出来ません。
よって、実用の道具として焼きの入った刀として使うことは出来るようになったとしても、
「修復」という範疇には入らないのではないかと考えます。
私も、火災にあった刀の再刃をすることがありますが、
うまくいくときもあれば、心金が出て、刃文が途切れる事も、全く焼きが入らないときもあります。

心金とは:日本刀には、折れを防ぎ、曲がりを防ぐために、軟らかな心金(しんがね・芯鉄とも書く)を硬い鋼でくるむ構造の刀が、よく見られます。心金は中心に入れるように努めるのですが、なかなかむずかしい事と片方が錆びたり傷が出るとそれを削り取るために、参考写真のようにかたよってくることがあります。表面からは見えませんが、後一皮研ぎ落とすと心金が、出るかもしれません。  

 この写真の刀の茎(なかご)と刀身の一部は、島根大学総合理工学部・総合理工学研究科「大庭・森戸Pham研究室」http://www.phys.shimane-u.ac.jp/ohba_lab/index.htm にお譲りして鋼の研究の資料としていただきました。

 刃文が一部無くなったり、傷が出て、不要となって廃棄される刀がありましたら、一部分でも良いので、研究機関へ寄贈されることをおすすめします。日本刀の作り方から、未来の鋼を作り出すヒントが見つかるかもしれません。研究資料は、たくさんある方が統計がとれて良いと想います。私は、断面の観察と折れについてテストしました。



 
刀の断面写真(サンプルイメージ)

白鞘・鎺(はばき)について

鞘や鎺(はばき)が痛んだ時には作り替えます。
白鞘の場合は、割って、刀身の錆が付いたところを削り落として、再び利用する場合も多いです。
白鞘は、張りあわせで作られていますが、そのようにリサイクルできるよう接着力の弱い
続飯(そくい・ご飯をすりつぶして作られる接着剤)が用いられてきました。
たまに白鞘が乾燥して割れて苦情を頂くことがありますが、上記のご説明して、
鞘師さんに張り直してもらってお返ししています。
サッシの窓の二階で
日の光の差し込むような床の間の刀掛けに掛けておられる場合などにありがちです。
こういう方の場合は、桐箱に入れて保管されることをおすすめしています。
夏の車の中でも、割れたり、抜けなくなったりすることがあるので気をつけないといけません。

今回の、太刀の場合も切っ先の焼きがほとんど無い程度までに研ぎこまれていました。
また、銘が刀樋によって一部削り取られており、目釘穴にもかかっていたこと、
鎺(はばき)の下のヤスリ目の角度と、その下のヤスリ目の状態が異なることから、
刀樋は、元々はなくて後から彫られており、茎ももしかしたら少し磨上られている可能性もありました。

剣の方も、区が無くなるほど研ぎ込まれ、細直刃状態で、これ以上研ぎたくない状態でした。

以上の事から、これらの太刀と剣は、現状のままで残し、これらに倣って製作する「復元」を行い、もしも機会があれば比較展示して、古の姿を忍ぶのが良いと考えます。

そして復元に当たり、太刀は、切っ先に焼きの部分を確保するために3ミリ程度延ばしました。
しかし、区の方は、現在ある文化財の拵えと同様の大きさのものを作るために、
そのままの状態を倣うことにしました。
剣の方は、上側の目釘が、活かせるような位置に区を定め、区が出来る程度、身幅を広くすることにしました。
従いまして、現状よりも幅広で焼き幅が広くなります。

 
そして、復元に関して、最高を目指すのであれば、
人間国宝や経験豊富な職方の皆さんでおこなうべきではないかと想われる方もいるかもしれません。

その通りであると想います。

しかし、私は、今回のプロジェクトは、トップクラスの人たちの中に若手のノ職人さん達に加わってもらっての混成チームで行う事にしました。
このことにより、ベテランから若手への技術伝承のためのアドバイスが受けられることを期待してのことです。

地方の文化財は、地方で守り、復元・修復できる人材育成と仕組みが生まれるきっかけとなれば良いと考えたのです。


以上が、修復ではなく、復元にした理由と、地方の職人さん達、若手の職人さん達に加わっていただいた理由です。
微力ですが、皆様のご支援を決して無にしないよう、全力をあげて来年の奉納を目指したいと想いますので、引き続き応援、ご支援いただけますよう、宜しくお願いいたします。

三上貞直拝

リターンを選ぶ

6,000 円のリターン内容

・お礼のお手紙
・奉納名簿お名前記載:個人1名分
・ウェブページお名前掲載:個人1名分
・復元奉納記念ポストカード:1セット
・復元奉納記念クリアファイル:1枚
お届け予定:2020年08月31日

グローサー:58人

受け渡し方法:郵送

8,500 円のリターン内容

・お礼のお手紙
・奉納名簿お名前記載:個人1名分
・ウェブページお名前掲載:個人1名分
・復元奉納記念ポストカード:1セット
・復元奉納記念クリアファイル:1枚
・復元奉納記念手ぬぐい:1枚
お届け予定:2020年08月31日

グローサー:41人

受け渡し方法:郵送

12,500 円のリターン内容

・お礼のお手紙
・奉納名簿お名前記載:個人1名分
・ウェブページお名前掲載:個人1名分
・復元奉納記念ポストカード:1セット
・復元奉納記念クリアファイル:1枚
・復元奉納記念手ぬぐい:1枚
・復元奉納記念Tシャツ:1着
お届け予定:2020年08月31日

グローサー:54人

受け渡し方法:郵送

26,000 円のリターン内容

・お礼のお手紙
・奉納名簿お名前記載:個人1名分
・ウェブページお名前掲載:個人1名分
・復元奉納記念ポストカード:1セット
・復元奉納記念クリアファイル:1枚
・復元奉納記念手ぬぐい:1枚
・復元奉納記念Tシャツ:1着
・復元錦包籐巻の太刀等身大ポスター:1枚
お届け予定:2020年08月31日

グローサー:5人

受け渡し方法:郵送

残り140個

33,000 円のリターン内容

・お礼のお手紙
・奉納名簿お名前記載:個人1名分
・ウェブページお名前掲載:個人1名分
・復元奉納記念ポストカード:1セット
・復元奉納記念クリアファイル:1枚
・復元奉納記念手ぬぐい:1枚
・復元奉納記念Tシャツまたは復元奉納記念ポロシャツ:1着
・【数量限定】等身大復元太刀全身押し型コピー(シリアルナンバー入り)または復元錦包籐巻の太刀等身大ポスター:1枚
・【数量限定】復元錦の裂 記念額縁入り:1個
お届け予定:2020年08月31日

グローサー:10人

受け渡し方法:郵送

残り23個

42,000 円のリターン内容

・お礼のお手紙
・奉納名簿お名前記載:個人1名分
・ウェブページお名前掲載:個人1名分
・復元奉納記念ポストカード:1セット
・復元奉納記念クリアファイル:1枚
・【数量限定】復元錦の裂 記念額縁入り:1個
・【数量限定】復元錦 名刺入れ:1個
お届け予定:2020年08月31日

グローサー:7人

受け渡し方法:郵送

OUT OF STOCK

75,000 円のリターン内容

・お礼のお手紙
・奉納名簿お名前記載:個人1名分
・ウェブページお名前掲載:個人1名分
・復元奉納記念ポストカード:1セット
・復元奉納記念クリアファイル:1枚
・【数量限定】復元錦の裂 記念額縁入り:1個
・【数量限定】復元錦 信玄袋:1個
・【数量限定】奉納立会の権利:2名分
お届け予定:2020年08月31日

グローサー:5人

受け渡し方法:郵送

残り5個

100,000 円のリターン内容

・お礼のお手紙
・奉納名簿お名前記載:個人1名分
・ウェブページお名前掲載:個人1名分
・復元奉納記念ポストカード:1セット
・復元奉納記念クリアファイル:1枚
・復元奉納記念手ぬぐい:1枚
・復元奉納記念Tシャツまたは復元奉納記念ポロシャツ:2着
・復元錦包籐巻の太刀等身大ポスター:1枚
・【数量限定】等身大復元太刀全身押し型コピー(シリアルナンバー入り):1枚
・【数量限定】復元錦の裂 記念額縁入り:1個
・【数量限定】玉鋼:1個
・【数量限定】鍛錬道場見学の権利:2名1回分
・【数量限定】奉納立会の権利:2名分
お届け予定:2020年11月30日

グローサー:5人

受け渡し方法:郵送

残り2個

275,000 円のリターン内容

法人・団体向けコース
・お礼のお手紙
・奉納名簿お名前記載:法人1団体分
・法人スポンサーとしてウェブページ法人名掲載:法人1団体分
・復元奉納記念ポストカード:5セット
・復元奉納記念クリアファイル:5枚
・復元奉納記念手ぬぐい:5枚
・復元奉納記念Tシャツまたは復元奉納記念ポロシャツ:5着
・復元錦包籐巻の太刀等身大ポスター:1枚
・【数量限定】等身大復元太刀全身押し型コピー(シリアルナンバー入り):1枚
・【数量限定】復元錦の裂 記念額縁入り:5個
・【数量限定】鍛錬道場見学の権利:5名1回分
・【数量限定】奉納立会の権利:5名分
お届け予定:2020年11月30日

グローサー:3人

受け渡し方法:郵送

残り1個

5,000,000 円のリターン内容

・お礼のお手紙
・奉納名簿お名前記載:個人2名分
・ウェブページお名前掲載:個人2名分
・復元錦包籐巻の太刀等身大ポスター:1枚
・【数量限定】等身大復元太刀全身押し型コピー(シリアルナンバー入り):1枚
・【数量限定】玉鋼:1個
・【数量限定】復元錦の裂 記念額縁入り:2個
・【数量限定】鍛錬道場見学の権利:2名1回分
・【数量限定】奉納立会の権利:2名分
・【数量限定】奉納太刀(影打)引換の権利:1太刀分
お届け予定:2020年11月30日

グローサー:0人

受け渡し方法:郵送